展示会は参加すべき?
迷ったときに確認したい判断ポイント

2025/08/06
展示会は、自社の製品やサービスを実際に体感してもらえる絶好の場。新たなリード獲得や認知拡大、商談機会の創出など、多くのビジネスチャンスが眠っています。しかし、準備や費用、人的リソースが必要なこともあり、「本当に出展すべきか」「自社に合っているのか」と判断に迷う企業も少なくありません。
この記事では、展示会への出展を検討している方に向けて、出展判断の視点や成功につなげるためのポイントを詳しく解説します。
目 次
2. 展示会の価値とは?出展を検討する企業が増えている理由
(1) 五感で伝わる体験価値によって、競合との差別化ができる
(2) 潜在的なニーズを掘り起こせる対話の場になる
(3) 展示会後の営業活動に活かせるリアルな反応が得られる
3. 出展すべきか迷ったら|判断のための3つの視点
(1) 商品やサービスに実物を見せる価値があるか?
(2) 新しい見込み客との接点を求めているか?
(3) 展示会出展にかけられる体制・リソースがあるか?
4. 自社に合った展示会を選ぶには|失敗しないチェックポイント
(1) 来場者属性と自社ターゲットが一致しているかを確認する
(2) 出展企業の傾向をチェックする
(3) 展示会の雰囲気が自社に合っているかを見極める

1. はじめに

展示会と聞いて、「大手企業だけが出るもの」や、単に「名刺交換の場」だと思っていませんか?たしかにそうした側面もありますが、今や展示会は中小企業にとっても、製品・サービスを広くアピールできる有力なプロモーションの場です。コロナ禍を経て、対面でのコミュニケーションの価値が再認識される中、改めて展示会出展に取り組む企業も増えてきました。とはいえ、出展には手間もコストもかかるため、勢いや流行だけで決断するのは危険です。
本記事では、展示会出展に踏み出すかどうか迷っている方が、冷静に判断できるように、出展のメリットや検討すべき視点、展示会の選び方などをご紹介します。展示会参加の判断材料として、ぜひご活用ください。
2. 展示会の価値とは?出展を検討する企業が増えている理由
近年、広告や営業活動の手法は多様化し、オンライン施策が広く普及しました。しかし、オンラインだけでは伝えきれないリアルの価値に再び注目が集まり、展示会参加の価値を見直す企業が増えているのも事実です。 単なるブランディングにとどまらず、ターゲット層に直接アプローチできる場として、展示会は高い効果を発揮します。特に製品の質感や使い勝手、企業の姿勢や人柄といった「目に見えにくい価値」を体感してもらうには、対面でのコミュニケーションが不可欠です。
展示会の出展によって得られる3つの代表的な価値をご紹介します。
(1) 五感で伝わる体験価値によって、競合との差別化ができる
製品やサービスの強みが、実際に手に取って体験してもらうことで伝わる場合、展示会は極めて有効な手段です。実物を展示することで、来場者の理解が深まり、信頼感も高まります。機能性や素材感、操作感など、Webでは伝えきれない価値が伝わることが、商談へつながる大きな第一歩になります。
(2) 潜在的なニーズを掘り起こせる対話の場になる
展示会に訪れるすべての人が、すぐに導入を検討しているわけではありません。しかし、現場でのちょっとした会話や接客対応をきっかけに、来場者の潜在的な課題を掘り起こすことができます。丁寧なヒアリングと提案を通して、将来の有力なリードに育てていけるのは展示会ならではの魅力です。
(3) 展示会後の営業活動に活かせるリアルな反応が得られる
展示会は、その場で商談を完結させることだけが目的ではありません。来場者の関心度や反応、質問内容などから、自社の強みや訴求ポイントを改めて見直す材料が得られます。展示会で得た情報をもとに、営業資料を改善したり、アプローチ方法を見直したりすることで、出展後の営業活動にも良い影響を与えます。
3. 出展すべきか迷ったら|判断のための3つの視点
展示会出展によって得られるメリットは大きいものの、自社の現状と照らし合わせて慎重に判断することが大切です。何となくのイメージや、周囲に流される形での出展ではなく、目的と準備体制を明確にして臨むのが理想的です。
自社が本当に展示会出展に取り組むべきかを見極めるための、3つの具体的な視点をご紹介します。
(1) 商品やサービスに実物を見せる価値があるか?
見た目・質感・操作性・使用感など、実際に体験してもらうことで魅力が伝わる商品やサービスであれば、展示会は非常に相性がよい場です。特に、BtoBの分野では実物を確認した上で導入を検討したいというニーズを満たすことができるため、現物展示の効果は高まります。
(2) 新しい見込み客との接点を求めているか?
既存の営業手法に限界を感じている、広告の反応が鈍くなってきたという場合、展示会は新規開拓のための顧客との接点になります。業界に特化した展示会であれば、ニーズのある層との接点も得やすく、質の高いリード獲得が期待できます。
(3) 展示会出展にかけられる体制・リソースがあるか?
出展には事前準備が必要不可欠です。企画・設営・販促物の制作・スタッフの配置など、社内にどこまで体制を敷けるかを見極めることが重要です。もしリソースが限られている場合は、まずは小規模なブースから始める、外部の協力会社に協力を仰ぐといった形で、無理のない出展方法を検討しましょう。
4. 自社に合った展示会を選ぶには|失敗しないチェックポイント

展示会と一口に言っても、対象業界、来場者の属性、規模、会場の雰囲気など、内容は千差万別です。出展する展示会の選び方ひとつで、成果が大きく変わるといっても過言ではありません。だからこそ、自社に最適な展示会を見極める目を持つことが非常に重要です。

(1)来場者属性と自社ターゲットが一致しているかを確認する

主催者が公開している過去の来場者データ(業種・職種・企業規模・地域など)を必ず確認しましょう。自社のターゲットとなる層が多く訪れている展示会であるかどうかが、出展判断の第一条件です。

(2) 出展企業の傾向をチェックする
競合や業界内の主要企業が出展している展示会は、ある程度の来場者数や注目度が見込めます。ただし、競合ばかりで埋め尽くされている場合は、自社が埋もれてしまう可能性も。あえて異業種との合同展示会に出ることで、差別化できる場を選ぶという戦略もあります。
(3)展示会の雰囲気が自社に合っているかを見極める
過去の開催レポートや、参加企業のSNS投稿などから展示会の雰囲気を読み取るのも有効です。展示ブースのデザイン傾向や、来場者の反応、会場の活気などを事前に確認し、自社のブランドイメージや伝えたい内容とマッチするかを判断しましょう。
5. まとめ|展示会出展を判断するときに押さえておきたい5つのこと
展示会は「リアルな体験」で魅力を伝えることができる
潜在ニーズを掘り起こす対話のきっかけになる
出展の判断は「体験価値」「新規開拓」「社内体制」の3点から考える
展示会の選び方によって成果は大きく変わる
無理のない範囲から出展を始めることも戦略のひとつ
展示会出展は企業にとって大きな投資ではありますが、同時にそれ以上の成果を見込める有力な手段です。成功するかどうかは、出展前の冷静な判断と綿密な準備にかかっています。今回ご紹介した判断基準やチェックポイントを活用して、戦略的かつ前向きに展示会参加を検討してみてください。着実に準備を進めることで、展示会はきっと、新たな可能性を広げる大きな一歩となるはずです。