展示会に出展・参加するメリットとは?
出展者と来場者それぞれの効果を解説

2025/11/14
製品やサービスを広く知ってもらう手段が多様化する中で、今あらためて注目されているのが「展示会」です。リアルな場で人と人が出会い、直接コミュニケーションを取ることで、オンラインでは得られない信頼や気づきが生まれます。 出展者にとっては自社の魅力を発信し、新しい商談につなげる絶好のチャンス。 来場者にとっても、業界の最新情報を一度に収集できる貴重な学びの場となります。
この記事では、出展者・来場者それぞれの立場から展示会のメリットを整理し、効果を高めるためのポイントを解説します。

1. はじめに

展示会は、企業と企業、人と人が直接つながるリアルな交流の場です。 商談や情報交換を通じて新しい関係が生まれ、オンラインだけでは得られない発見や信頼が育まれます。
出展する企業にとっては自社の魅力を発信する絶好の機会であり、来場者にとっても業界の動きを一度に把握できる有益な場です。 その一方で、限られた時間の中で成果を上げるには、目的を明確にし、効果的に行動することが欠かせません。
展示会をより有効に活用するヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
2. 展示会に出展するメリット
出展者にとって展示会は、単に商品を並べる場ではなく、営業やブランディングの大きなチャンスです。短期間で多くの見込み顧客と出会えるだけでなく、企業の信頼を高める場としても効果的に活用できます。
展示会の出展によって得られる3つの代表的な価値をご紹介します。
(1) 新規顧客との出会い

展示会の来場者は、業界に関心を持ち、新しい商品やサービスを探している人が多いため、質の高いリードを獲得できます。オンライン施策では接触が難しい層ともつながれるため、営業効率の高い顧客獲得手段といえます。

(2) ブランド認知の向上

ブースを構えること自体が「その業界で存在感のある企業」という印象を与えます。目を引くブースデザインや、デジタルサイネージを使用して動画を流すなど展示演出を工夫すれば、来場者の記憶に残り後々の商談や取引のきっかけにつながります。

(3)市場動向・競合調査の場
展示会は、競合の戦略や業界トレンドを把握する絶好の機会です。他社の展示や来場者の反応を観察することで、自社の商品開発や営業活動に役立つ情報を得られます。
3.展示会に来場するメリット
来場者にとって展示会は、短時間で効率よく業界全体の情報を集められる「学びと比較の場」です。最新の製品や技術に触れながら、担当者と直接話せる機会は、意思決定のスピードや精度を高めてくれます。
(1) 効率的な情報収集

展示会では複数の企業の製品やサービスを一度に確認できるため、横並びで比較検討できます。HPや資料請求では得られない情報やデモ体験も可能です。限られた時間で幅広い情報を集められるため、新しい取引先の発掘や導入検討の判断に役立ちます。

(2) 担当者との直接対話

展示会には各企業の担当者が常駐しているため、疑問や詳細な質問をその場で解決できます。資料だけではわからない細かい仕様や実際の活用事例も聞けるため、製品理解が深まります。また、担当者と直接コミュニケーションを取れるため、スムーズに商談につなげることが可能です。

(3) 最新トレンドの把握
新技術や業界動向を一度にチェックできるのも展示会の魅力です。各社の展示やデモを通して市場の方向性を把握できるほか、セミナーや講演に参加すれば、情報収集と学びの両方を同時に進められます。最新の取り組みを実際に見聞きすることで、自社戦略や製品開発のヒントも得られます。
4.展示会の効果を高めるためのポイント
展示会は出展する側にも来場する側にも多くのメリットがありますが、準備不足のまま参加すると効果は半減してしまいます。ここでは、出展者と来場者それぞれが展示会の効果を最大化するための具体的なポイントを紹介します。

(1)出展者のポイント

①ターゲットを明確にする

展示会は幅広い来場者が訪れる場ですが、自社が狙いたい層を事前に絞り込むことが重要です。たとえば「新規取引先を増やしたい」「既存顧客に最新サービスを紹介したい」など目的を定めることで、ブース設計や配布資料の内容も具体的になります。


②ブースと資料の工夫

視覚的に目を引くブースデザインは集客力に直結します。大きなパネルや実物展示で「何を提供しているのか」が一目でわかるようにしましょう。また、パンフレットに展示ブースの画像を載せたり、ノベルティは社名と簡単な事業説明を記載するなど、「持ち帰って思い出してもらえる工夫」を加えると効果的です。


③事前・事後のフォロー体制

展示会は「当日の対応」で終わりではなく、成果を高めるには事前と事後のフォローが欠かせません。開催前にメール配信や招待状を送り、来場対象者へ自社ブースの見どころを伝えることで来場率が向上します。当日は名刺交換や会話内容を記録し、終了後はできるだけ早くお礼メールや資料送付を行うことが重要です。来場者リストを活用して関心度に応じたフォローを行えば、信頼関係が深まり、商談や受注につながりやすくなります。

(2) 来場者のポイント

①目的を決めて回る

展示会はブース数が多く、すべてを回るのは不可能です。「新しい仕入れ先を探す」「既存の取引先と情報交換する」「市場のトレンドを把握する」など、自分の目的を具体的に設定しておくと、当日の動きに無駄がなくなります。目的を持っている来場者ほど、得られる成果が大きくなります。


②優先順位と時間配分を工夫する

大型展示会では、1日で数百社のブースを巡ることは現実的に不可能です。そのため「必ず訪問したい企業」「時間があれば立ち寄りたい企業」に分けて優先順位をつけましょう。また、商談やデモが集中する昼過ぎを避け、比較的空いている午前中を狙うのも効率的です。  


③情報を記録して持ち帰る

展示会で得た情報は、後で振り返ると「あのブースで聞いた話はどこだっけ?」と混乱しがちです。名刺交換の際に気づいたポイントをメモする、気になった資料はスマホで写真を残すなど、後から見返せる形で記録しておくことが重要です。これにより、社内での共有や意思決定にスムーズにつなげられます。


5. まとめ
展示会は、出展者にとっては新規顧客獲得やブランド認知の向上、市場動向の把握の場であり、来場者にとっては効率的な情報収集、担当者との直接対話、最新トレンドの把握ができる場です。さらに、目的を明確にして事前準備を整えることで、その効果は何倍にも高まります。展示会は単なるイベントではなく、未来のビジネスにつながる機会と捉え、活用してみてください。